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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第21章 一人語る


櫻井視点

 潤から奪ったグラスのビールを一口飲んでびっくり顔をした雅紀が「ほんとだ!これうまい!!」っと叫んだ。

(あら?本当に美味しいんだ…)

A「やっぱビールは〝ラガー〟だね」
 雅紀の輝く笑顔を皆に向ける。


「お!さすが。ビールのCMされてる方は違いが分かるんですね」


A「え?違い…」

(あれ?なんか変な事言ったか?)


N「おやぁ?適当発言でしたかぁ」
 ニノがニヤッと笑ってツッコミを入れた。

A「ビールは“ラガー”って言う事が多いじゃん!
  だから、ハワイのラガーは、日本のラガーと似てるんじゃない?」
 雅紀が必死に自分の意見を言っている。


N「名前?そこ?」
 ニノが眉間にシワを寄せている。

A「たぶん…違うかな?」
 不安そうな雅紀の顔。

「あながち間違ってないよ!!」
人差し指を立ててながら口角を上げる。


A「ホント?」


「ビールって、ほら麒麟の工場で聞いたじゃん
 日本で製造販売ビールはほぼラガーだって…」


M「ああ…工場の時の話?」
 潤が相槌を打つ。

「そうそう。
 さっきさ、潤と雅紀が『ラガーがうまい』って言ったのは、飲みなれているんだよ」

M「飲みなれてる…」


「うーん
 ラガー(独Lager)は下面発酵(酵母が発酵もろみの下面に沈む)で作った特徴のすっきり苦みと強いシンプル香りがするビールじゃん。

 ラガーが日本人の口に合ったのかどうかは、俺は分からないけど、
 低温(10℃前後)で長時間かけての発酵で醸造できるから、大規模な工場で、大量生産がしやすい所とか、その辺が日本で多く流通している理由の1つになるのかなぁ

 でぇ
 エール(英Ale)は上面発酵(酵母が発酵もろみの上面に浮き上がる)で
 常温(20℃前後)で短期間に発酵で醸造されるビール作るから、複雑な香りと深いコク、まろやか・ほのかな苦み・フルーティーな甘みがあると、色々な種類があるんだよ。

 日本人にはあまりなじみがないけど、昔からある製法なんで、比較的アルコール度数が低めで甘みもあるから、苦いビールを苦手な人でも飲みやすいと思うよ。

 外国のバーな所に行くと色々あるし…

 でもなぁ
 舌が慣れてなくて『こんなのビールじゃない』となるのかも…


 ねー?聞いてる?」
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