第21章 一人語る

松本視点

Ｏ「あ♪確かにこのビールうまい！！」
　一口飲んだリーダーが笑顔で言う。

Ｎ「大野さん。私にも味見させてください」
　その声に反応したニノがリーダーの方に手を出す。

Ｏ「うん」
　リーダーがニノにグラスを渡す。


Ｎ「あぁ！ほんとだ。コレ日本のビールと似てる！！」
　一口飲んで笑顔になるカズ。


（俺の行動は流されましたか？…だったらこのまま…）
「俺も飲みたい！！」
ニノからクラスを受け取って一口飲む。


（よし！俺だけ怒られなくなった！！）



Ａ「潤ちゃん全部飲んじゃためだよ！！」
　相葉くんが俺からグラスを奪いとる。


Ａ「俺も飲んでみたいぃの！」
　グラスに残っているビールを飲む相葉くん。


（相葉くんも怒られ仲間確定！）



Ａ「ほんとだ。これうまい！！やっぱビールは〝ラガー〟だね」
　一口飲んだ相葉くんが笑顔で言う。
　その顔を見てリーダーも笑っている。

Ｓ「お！さすが。ビールのＣＭされてる方は違いが分かるんですね」
　翔さんがご機嫌な声を上げる。

Ａ「え？違い…」

Ｎ「おやぁ？適当発言でしたかぁ」
　ニノがニヤッと笑ってツッコミを入れる。

Ａ「ビールは“ラガー”って言う事が多いじゃん！だから、ハワイのラガーは、日本のラガーと似てるんじゃない？」
　必死な返答をする相葉くん。

（そんなにひっしになると…よけい変よ…）

Ｎ「名前？そこ？」
　ニノがびっくりした顔をしている。

Ａ「たぶん…違うかな？」

Ｓ「あながち間違ってないよ!!」
　翔さんが人差し指を立ててながら口角を上げる。

Ａ「ホント？」
　おどろく相葉くん。

Ｓ「ビールって、ほら麒麟の工場で聞いたじゃん
　　日本で製造販売ビールはほぼラガーだって…」

「ああ…工場の時の話？」
翔さんの話に相槌を打つ。

Ｓ「そうそう。さっきさ、潤と雅紀が『ラガーがうまい』って言ったのは、飲みなれているんだよ

「飲みなれてる…」
目の前のビールのグラスを見ていると、刺すような視線を感じた。


Ｓ「ラガーは、かめんはっこぉ…


視線を感じた方を向くと、ニノが冷めた目で俺を見ている。

（おれ？俺なんかした？）

人差し指で自分の顔を指しながら口を動かす。

　ニノがうんうんと頭を動かした後、はぁっとため息を出す。


（えぇーーなんがダメだったの？）