第20章 カラフルなハワイビール

松本視点

Ｏ「へー、ラガー…」
　リーダーの興味がある声が聞こえた。

Ｓ「ここにある四本のコナビール唯一のラガービールだね」
　翔さんがリーダーの興味を直ぐ拾って補足した。

Ｏ「松潤のどんな味？」
　リーダーが俺の飲み掛けのグラスに手を伸ばす。

「飲んでみる？」
自分のグラスをリーダーに渡す。

Ｏ「うん」
　リーダーが抵抗なく受け取る。

痛い視線を感じて顔を上げると、どうしようの顔の相葉くんと怒った顔のニノがいた。

（あ！）

気が付いた時にはもう遅くて“翔ちゃん”モードが変わり始めていた。


Ｓ「あ…智くん　俺が飲んだのも、アロハ・ラガーでね」

　翔さんがリーダーが持っているグラスを取り上げ置き、別のグラスを持たす。

Ｓ「この白い王冠にシンプルなラベルのビールは、
　　2012年に一般販売され始めたハワイ・オアフ島ホノルルに醸造所を構える
　　アロハ・ビア・カンパニーの地ビール。
　　アルコール5パーで、まろやかな苦味、すっきりした味わいのラガー。
　　こっちの方が飲みやすいかも！」

　翔さんのマッハ説明と同時進行に瓶の王冠を抜いて、もたせたグラスにビールを注ぎ始める。


　物凄くテキパキと動く手を俺は見ているしかなかった。



Ｓ「俺が飲んのです。どうぞ！！」
　グラスにビールを注ぎ終わるとキラキラの笑顔をリーダーに向ける。

Ｏ「あ…ありがとう…」
　リーダーもちょっと嬉しそうな顔で、グラスに口を付ける。


　翔さんがリーダーの口の動きを見ながら、目じりを触る。

Ａ「味どうだった？」
　相葉くんが翔さんに声をかける。

（うわぁチャレンジャー…気分を逆なぜるかもよ）

「翔さんが、そこまで押すんだから、うまいビールなんだね」
（俺は媚びを打っとくよ…）



Ｓ「え？‥‥‥うん…」
　目が泳いでいる翔さん。

Ｎ「その顔は印象に残ってませんね？」
　ニノがニヤッと笑う。


　翔さんが「へへ…」っと笑ってごまかした。