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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第20章 カラフルなハワイビール


二宮視点

S「では、五種類のビールについて、このカードに乗っている事を報告と解説をしていきたいと思います」
 にこやかにカードを広げる翔さん。

O「よろしく!」
 ご機嫌になった智さんが音を立てて、手を叩く。


俺も一緒に手を叩く。

 翔さんはふふっと笑って、得意げに説明しながらビールを並べている。


S「ビックウェーブ・ゴールデンエール」
 翔さんが一番最初に持ったのが青い王冠の瓶。

O「おいらが飲んだヤツ…」
 智さんが身を乗り出す。

 翔ちゃんから嬉しそうなオーラが溢れてきた。


(よしよし、どんどん“翔ちゃん”しててください)


 マー君が翔ちゃんの手伝いをしている。


S「続きまして、ファイアーロック・ペールエール」

「私が飲んだのですね」

S「アルコール度数6パー。味は濃厚でコクなある味わい。
  適度な苦みとほのかな甘みが特徴。その独特な癖が地ビール愛好家に人気」

「確かに癖がありますよ」
(私は、好みませんでした…)


A「美味しくなかったの?」
 グラスの横に瓶を置きながらマー君が聞く。

「美味しい…って言うか、イメージした味と違うって感じだよ」
(まだ、誰も飲んでないのに‘美味しくなかった’って個人意見言わないでしょ?)

A「それって美味しいの?美味しくないの?」
 しつこく問い詰めてくるマー君。


(あ!もう!しつこいな)


「翔さん。続きどうぞ!!」

S「はいはい」
 翔さんが俺の飲んだビールの説明を続ける。


マー君は俺からスキ有ればコメントを取ろうと構えている。


(せっかくの“翔ちゃん”を壊したくないから、
 次のビールは、これにして…)


説明が終わった翔さんに「はい。次のビール!!」緑の王冠の瓶を渡す。


S「緑の王冠のビールはキャスタウェイ・アイピーエー」


 マー君の顔が(俺が飲んだヤツだ!)になった。


(よしよし…めんどうから解放された…)
マー君の興味を俺からビールに移動させるこちに成功した。


翔さんの説明を聞きながら、マー君が瓶を手に取って色々見る。

A「苦みはあったけど、すっごく飲みやすいビールだよ」


「ふーん…」

(なんだろう…俺以外の事にすんなり興味が移るのって…なんか…)
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