第19章 独走と迷走の行先

松本視点

Ｎ「はいはい！！時間も遅いので、食事してください！！」
　ニノが翔さんと相葉くんの間に入って、箸を翔さんとリーダーに渡す。

（ニノ！ナイス♬　俺も！）

「そうそう。あったかいスープもありますよ」
スープの蓋を開けて、湯気と匂いを上三人にアピールする。


直ぐに反応したのが、相葉くん。

Ａ「潤ちゃんの気まぐれスープ？」
　皿を持って近づいてきた。

「気まぐれって言うなよ」


Ｎ「じゃ、適当スープ」
　ニノがニヤッと笑う。


「それ、傷つく…」
（協力して、話をいい方に進めよう…）
蓋を持っていない方の人差し指で合図を送る。


Ｏ「おいしい？」
　リーダーが興味を示す。


「もちろん♡」
（リーダーが飲みやすいようにコンソメにしました♡）

Ｏ「じゃ飲む」

　深皿を俺に渡そうとするリーダーにつられて「俺も」と翔さんも皿を持ってくれた。


（よしよし。このまま食事になだれ込もう）


Ａ「いっぱいください！！」
　相葉くんが俺の手元に皿を置いて笑った。


「沢山ですか？」
ワザと鍋ごと渡そうと鍋を持つフリをした。

Ａ「いえいえ、適量でお願いします」
　皿を指さして笑いながら言う相葉くん。

（いいね。その返し♬）


集まってきた深皿にスープを注いでいく。

（リーダーには、一番にあげよう♡）
皿をそっとリーダーの前に置く。


Ｏ「ね？翔くんの飲んだの美味しかった？」
　リーダーが翔さんがニコッと笑って話しかけている。

Ｓ「え？あ、うん。ビールでしたよ」
　眉の角度が真逆に動く翔さん。

Ｏ「そのビールの味見たかったな…」
　翔さんの空になったグラスをちょっと寂しそうに見ているリーダー。

（さすが智さんナイスです！
　ここでは…リーダーの言葉が一番の鎮静剤なんです）


Ｓ「…ま、雅紀？俺が飲んだのどれ？」
　翔さんが普通のトーンで、栓の空いた瓶を指さしている。


Ａ「翔ちゃんのは…」
　相葉くんが立ち上がってビールをワゴンまで取りに行く。

動いている相葉くんを睨まなくなった翔さん。


（よしよし、そのまま落ち着いてください！）