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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第18章 五人で前々夜祭


二宮視点

何も言葉にしないで状況を観察している潤くん。

言葉を探して、見つからないマー君。


(まさかこのタイミングだと思ってなかったので、正直。返答に困ります。

 いつもの‘ニノ’で返すか、素の“和也”で行くべきか…

 それに、翔さんには、この事伝えてませんよ?
 説明しないと、また、変に勘ぐるよ?)


S「……」
 目だけで俺たちを確認している翔さん。

(ほら、目が不安いっぱいで動いている…)


 押し黙ってしまった智さん。


(不安…わかります。でも……)

「…ここに居るよ。みんな居る…ね…」

(顔あげて…)



O「うん…」
 智さんが顔を上げる。


(まだ、不安そうな目をしている…)

 智さん口が小さく動いた。声になっていない。


{『弱くてごめん』だそうだ…}
 理解者が通訳してくれた。


「それで(あなたは)いいんです。私は、大丈夫ですよ」
そっと肩に手を置いて“智”に直接言葉を送る。


≪確かに、あんたは弱くなった。
 でも『弱い』から、みんなが一緒にいれる。


 今のアナタにとって翔さんの“彼女事”が一番 堪(こた)えることでしょ?


“彼女”に取られるのが怖いんだよね。

 でも、翔さんはちゃんと帰ってきた。

 俺たちの翔ちゃんはここに居る!


 この、幸せな時間が続く為には、離れなければいけない時間がある。

 信じましょう。

 どんなに離れていても、心がつながっている事を…≫


俺の“声”がとどいたのか《頼ってごめん》の“声”と小さく頭を動かしてくれた。
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