第15章 三人で…
二宮視点
マー君は舌を出しながら俺の軽いコンコン連打攻撃を文句も言わずに受けている。
(マー君てマジ〝M〟だったらどうしよう…)
{カズナリ まもなく二人が到着する}
理解者が、俺の耳元で、待ちに待った人たちの到着を告げる。
≪ん…わかった≫
攻撃を止め、体を起こそうと動かす。
(あれ…転がりすぎたかな…ちょっと腰に違和感ある…)
A「カズ?どうしたの?」
マー君が、叩かれていた頭を摩りながら、近づいてきた。
「あぁちょっと……違和感………」
(腰に違和感があるんだ)
自分が言った言葉と、口から出た言葉が違う。
{カズナリ。
発言の一部を伏せさせてもらった。
話の辻褄を合わせるように、進言する}
≪腰の事…敏感だもんな…わかった≫
「何でもないよ」
マー君が俺の顔をジーッと見つめる。
(疑いの目…マーくんにばれるような俺じゃないし…)
{マー は カズナリ の事になると引かないな}
≪俺の事より、自分の心配しろよなぁ≫
“理解者”と少し話をして「いや、そろそろ起きようかなーって」マー君の視線から逃げる。
A「ん…」
マー君が手を出した。
「ん?」
マー君の行動が一瞬分からなかった。
A「起きたいんでしょ?」
「あ、うん…ありがとう」
マー君の手をつかんで、ベッドから起き上がる。
A「そろそろ来そうなの?」
「…そうですね」
(マー君…理解者の声聞こえてた?なんて、聞けない…)
コンコン
控えめなノックの音が聞こえる。
A「いこうか♪」
笑顔のマー君が扉に向かって手を引かれる。
「うん!!」
(逆も良いかも…)