第14章 素にもどっていくよ

二宮視点

Ｍ「あー翔さんにやってもらった…」

Ａ「…できるよぉ」
　泣きそうなマー君。


「認めなさいよ。ｱｲﾊﾞｶさん
　さっきも、変なカタカナばっかで、だめだったじゃん」
イライラして持っていたタオルを投げつけてやった。

Ａ「あー今、俺の事バカって言った！！」
　赤い顔して俺の方に向かってくるマー君。

「ばかにバカいってなにが悪いんだよぉ」
布団のなかに潜り込みながら応戦した。


Ｓ「おーい　電話するから～ボリューム下げてぇ」
　受話器を耳にあてた状態の翔さんが言う。


Ｍ「はーい。静かにしろよ」
　ソファーのクッションを持った潤くんが俺とマー君の上にダイブしてきた。

Ａ「松潤がふってきた！！」
　楽しそうな声をあげるマーくん。

「重い！」
二人を押しのけようとする俺。


Ｍ「翔さんが『静かにしろ』だろ！」
　潤くんが人差し指を俺とマー君の口に当てる。


　静かになった俺たち見てニッっと笑う潤くん。



Ｓ「Hello…can I order some food, please?」
　翔さんが受話器に向かて話している。


（言いなれてる…さまになってる…）


Ｍ「なに？見とれてるの？」

潤くんの声が聞こえたから見上げる。

　潤くんはマー君の肩に顎を乗せていた。


Ａ「ん。翔ちゃんってかっこいいよね」

Ｍ「かっこいいよ。昔から！」
　ニコッと笑う潤くん。

（翔さんを崇拝してましたっけ？）

Ａ「潤ちゃんは素直に“カッコいい”って言えるんだね…」

Ｍ「どうしたのさ？相葉くんだって、素直に言えるだろ？」

Ａ「素直に言ったら、みんな笑うもん…」


（お二人さん…なぜ、俺の上で話をする？重いですよぉ）

二人が話し込むから、少しづつ体をずらして二人の会話を聞いていた。


Ｍ「確かに、時と場合を考えてない所があるかもね？」

Ａ「時と場合か…でも、それじゃ、素直じゃないじゃん…」


（あれで…素直じゃないって？）

潤くんが俺と目が合う。

（潤くんもビックリでしょ？）


Ｍ「なー雅紀…お前　考えすぎ」
　潤くんがマー君の体をぎゅっと抱きしめた。


Ｍ「ていうか！
　　もっと考えないといけない時に考えないで、
　　考えなくていい時に考えるのって、疲れるだけだよ」
　潤くんがマー君の脇をくすぐってく。