第14章 素にもどっていくよ
櫻井視点
潤がニコッと笑ってキッチンに入って行く。
(ひと手間、加える気だな…シェフ松本全開か…)
A「ねー?翔ちゃん!お酒何にする?」
雅紀がメニューを持って聞いてきた。
「俺は、別にビールでいいよ。冷えたの飲みたい!」
雅紀と一緒にソファーに腰かける。
N「そうだよね!飲みたいよねー」
クッションを抱きながらコロコロ転がって言うニノ。
A「えー、せっかくハワイきてビールなの?」
M「こらこら、ビールのCMしてるのに!何いってるのよ」
キッチンから突っ込みを入れる潤。
A「そうだけどサー、なって言うかサー?ハワイの雰囲気をサー…」
N「サーサーうるさいよ!
深酒ダメって言われたでしょ…体調や声を心配されてるのよ。
わかってる?
俺達 30越えのおじさんだからね?」
和也が雅紀に鋭い指摘をする。
(あぁあ、和也の機嫌損ねた…)
A「じゃビールでいいよ…」
雅紀のガッカリ感のある声が聞こえる。
(機嫌直るまで…しばらくこっちで話そう…)
「種類は…どれにする?」
A「…し、種類… …銘柄の事?…翔ちゃんのお勧めでいいよ…」
少し、会話に間がある雅紀。
(なに?泣きそうな顔して……)
「メニュー読めなてなんだろ…」
A「そ、そんなことないよ!!読めるよ!」
声が裏返った雅紀。
雅紀がメニューを読み始める。
A「ドリンク…べ…ビールぅ」
(…ごめん…俺が悪かった…)
「わーかった、わかった!」
いつまでも続きそうな雅紀を止める。
「ビール beer。ここね…
Bottled beerはビンビール! Canned beer缶だよ(笑)
つまり、容器はどれにする?ってこと!」
メニューを指差しながら雅紀に説明を始める。
A「なるほど♪さすが翔ちゃん!」
笑顔でその説明を聴く雅紀。
(ちゃんと聞いている?)
A「なーんだ。じゃ。ビンにしよー♡」
俺からメニューを受けとると、ベッドにいる和也に近づいていく。
A「じゃまたよろしくね♪」
雅紀はメニューを和也に渡した。
N「えー、またー」
ゴソゴソポケットからスマホを出している和也。