第14章 素にもどっていくよ
松本視点
ガチャガチャ
扉の方でストッパーを無理に開けようとしている音が聞こえてきた。
A「翔ちゃん!」
相葉くんの大きな声も聞こえてきた。
(どうしたの!?)
キッチンから慌てて出てみると「どうしたの?」と言って困った翔さんがいた。
S「そんなに待ってたの?」
優しい声の翔さんが相葉くんの背中をさすっている。
A「待ってないって言ったら嘘になるよー!」
うれしそうに抱き付いている相葉くん。
(ニノにその姿、見せたらグーが飛ぶぞ?)
「なに?感動の再会みたい事しているの?」
とりあえず、声をかける。
相葉くんが黙ってしまった。
(いつまでも、そこに居られたら…いろいろ困る…)
「はいはい。ここじゃねぁ…翔さんも中ぁ入れないし!」
優しく相葉くんの肩をポンポンと叩いた。
(テンション高くいたけど…内心相葉くんもシンドかったんだね…)
A「そうだね。ごめん…」
翔さんから離れない相葉くん。
S「よしよし!そんなに翔君に会いたかったのかぁ~」
翔さんは、相葉くんの頭を撫ぜなから部屋の中に入って行く。
ガニ股の後ろ歩きをしながら翔さんにしがみつく相葉くん。
「あはははっ嵐イチのっぽさんを押して入ってきたよ!」
翔さんと相葉くんが部屋に入ってから、用心のため扉を閉める。
N「なに、そのカッコ…まーくん…あなたいくつよ!」
ニノのイライラしたような声が聞こえてきた。
(だよね!ガキ丸出し!!)
A「だって!翔ちゃんが…」
ニノのそばに行く相葉くん。
(はいはい、機嫌取っといてよ…俺は、翔さんへ…)
「大丈夫?」
まだ髪が濡れている翔さんに声をかける。
S「雅紀はニノの所だよ」
翔さんが笑顔で二人を指さす。
「違う。翔さん自体…」
そのまま、ぎこちなくなりたくないから、キッチンに入る。
S「うん…もう大丈夫だよ…
今日イチの仕事が、重たかったから、引っぱちゃった…」
首にかけたタオルで髪を触りながら答える翔さん。
(表情が穏やかになったね…)
「切り替えれそう?」
料理を取り分けながら質問する。
S「切り替えオッケィです」
顔の前にピースサインをする翔さん。
「そう…それは、よかった…」