第2章 出発前のゴタゴタ
日本時間17日の東京 二宮視点
空港の控え室で俺は考えていた。
(理解不明な行動を取った大野さんの事…
どうやって、二人に伝える…
潤くんはいいとして、
翔さんには、言えないな…絶対迎えに行く。
チーフにメールしよう)
Toちいふ
リーダーの事 伏せましょう
個展準備中、部外者には箝口令って事にしてください。
じゃないと翔さんが探す。
Re
櫻井はZEROのチームと行動している、そう簡単には動けないだろう。
大野は今説得中。
相葉は大丈夫か?
Toちいふ
浜地の水 飲まして寝てます。出発時間までには、回復します。
Re
なら、安心した。
大野の飛行機の手続きが終わりしだいそっちに合流する。
Toちいふ
了解しました。
(大野さん…)
Toリーダー
個展用の絵に奮闘中でアトリエに籠ってる
になってます。
必ず来てくださいね
(返事が来ない…
読んでるかさえも分からない…)
イライラして、うろうろ歩き回る。
側で横になってるマー君がこっちを見ているのに気がつく。
「気分はどう?落ち着いた?」
そっと頭を撫ぜてる。
A「…ぅん…大ちゃん来るぅ?…」
消えるような声を出すマー君。
「大丈夫!来ますよ。
さっき『必ず来てくださいね』ってメールしたから…」
何度も何度も、優しく頭を撫ぜる。
A「返信は…」
寝たまま聞いてきた。
「すぐ来るわけないでしょ?いつもソウでしょ?」
A「……」
(声さえ出なくなったか…)
「それより、まーくん…
この事…翔さんにも、潤くんにも言っていい時まで、
言っちゃだめだよ。
もちろん、この事知らないマネにも…」
マー君の顔が見れない。
A「なんで…」
声を絞り出すマー君。
(やっぱ聞くよね)
「な…なんで…でも…です
ほら…潤くんも翔さんも個人の仕事が控えているし
落ち着くまでだよ
『話さない』『触れない』だけだよ。
話して大丈夫な時はちゃんと、知らせるから、
マー君は黙ってて…
五人で “BLAST in Hawaii”成功させよう?」
A「俺が……ダメだから…」
マー君の目じりから水分と不安な感情が一緒になってこぼれて行く。