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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第13章 抱えた気持ち


相葉視点

シャワーから出ると、潤ちゃんとカズが抱き合っていた。


見てはいけない物のような気がして、音を立てないでバスルームに戻る。

(今の…何…)


 カズが両手をぶらっとおろして、無抵抗で抱かれていた。

(無抵抗?俺が抱き付いたら、絶対『やめなさい』って言うのに…)


そっと二人の様子を伺う。


(見つめ合ってる…

 カズ…があんなに素直に話をしている姿…最近見てない…)



M「よしよし。ニノはよく頑張った」
 潤ちゃんの手がカズの頭を撫ぜている。

N「笑い事じゃありませんよ………」
 膨れ顔のカズ。


(この角度からだと、潤ちゃんの顔が見えない…

 カズがあんな…あんな顔しているから…きっと…)


二人は、よく一緒にいる。


N「… ……潤くんが…なかったら…
  俺…するところだったよ…」

 と切れと切れ聞こえるカズの声は優しくて、落ち着いている。


(…カズ…カズは、潤くんのこと好き?好きなの?)



色々思い出してみると、潤ちゃんと一緒の時の方が楽しそう。


(俺と一緒の時より、笑ってる気がする…


 なんかさ…いっつも、怒られたり、けなされたり…


 あぁ…もしかして、俺やらかしてるのかな?

 邪魔してるのかなぁ)




N「まーくん?」
 扉の向こうから、カズの声が聞こえてきた。


N「どうかしましたか?今日は、長くないですか?」

ゆっくり扉を開けると、心配そうなカズが立っていた。


(カズ…)

N「なんですか?」

(まだ…なんにも言ってないよ)

N「声にしなくても、わかりますよ…」


(なんで?そんなに優しい目をしてるの?)


N「で、どうしました?」
 しっかり俺の目を見つめるカズ。

その目から『言葉にしなさい』っと言われた気がした。

「潤ちゃんは…」
やっと、出た言葉はこれだった。

(うまく、言葉にできない…)

N「キッチンで料理を分けてますよ?」


「そう…」

ジッと見つめる目が見れなくて下を向く。

N「そんな所にいないで、出ておいで…」
 カズが手を伸ばしてくる。

「うん…」
その手を取って、引っ張ってもらう。


(その優しさがわからない…よぉ)

下を向いたまま、ソファーに向かって歩いて行く。


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