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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第12章 見かたが違うと…


相葉視点

 カズが潤ちゃんの部屋を見て立ち止った。


N「……先に行って、浜地から料理受け取ってくれる?」
 カズが小さい声で言う。


「いいけど…カズは?」


N「部屋からクッション持って来る。
  みんな来たら部屋の分じゃ足らなくなるから…」
 策士になる雰囲気が漏れ始めるカズ。


(カズ…は…潤ちゃんに見られたくないのかなぁ…)


「わかった。取っておいでよ。先に帰ってる」
手を放してカズの顔を見ながら言う。


(俺は見られたくないよ!

 絶対、弄られる…いつまでたっても、俺で遊ぶんだもん…俺の方が年上なのにさぁ)



N「じゃ、料理受け取ったら皿も出しとけよ!」
 フフっとチョイ策士二宮が笑う。



「はーい」
大げさに手を降って部屋の方に走って帰る。



部屋の前に浜地さんが 白い布のかかったワゴンの取っ手を持って待っていた。

「あ!すみません お待たせしました」

あわてて、部屋の鍵を開けて、扉を開ける。


浜地「あの…二宮さんは?」

「ニノ?『クッション持ってくる』って、部屋に戻ったよ?」


浜地「ク…ション…」

「どうぞ!どうぞ!」
手で部屋に誘導する。

浜地「…失礼します」
 浜地さんがワゴンを押しながら、入ってきた。


「このテーブルで食べようと思うけど、とりあえずキッチンに置いとこうか?」


浜地「……あ、あの…相葉くん…」
 言いにくそうな声で俺に話しかけてきた。


「?なに?」
カズに言われた“皿出し”をしながら返事をした。


浜地「二宮さんはあまり、体のお強い方ではないので、お優しい対応でお願いします…」
 言葉を選びながら話す浜地さん。


「体?ニノっどこか調子悪いの?」


(ニノは他の仕事で無理している時でも、嵐の仕事も手を抜かない…
 何度、無理してケガしても、治るまで黙っている………)


浜地「あ…いえ…」
 浜地さんが困った顔をした。


(あ…『言うな』って言われているんだ…

 うん。わかった。
 なら、聞いていない事にする)


「大丈夫だよ。
 俺もみんなもニノの事大好きだから、無理させない」
浜地さんに安心してもらおうと思って満点の笑顔を送った。

なのに浜地さんの顔は晴れなかった。

(ん?違うの?)
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