第10章 宿泊ホテルに到着
松本視点
チーフ「ニノ」
N「なにか用意してくれてます?」
右手でカードを受けとりながら聞いている。
チーフ「好きな物をルームサービスで頼んでいいよ」
N「了解です」
ニィっと笑うニノ。
チーフ「櫻井・・・ん?」
チーフが翔くんの方に一歩近づく。
S「……ん?あ!すみません」
翔くんがあわててカードを受け取る。
(翔くん…また、意識が違う方に行ってたね…)
N「もう疲れたの?これからが、本番だよ?大丈夫なの…」
ニノが心配そうに見上げる。
S「大丈夫!大丈夫だよ。ちょっと、今日の取材の事…考えてた」
ZEROモードの顔で言う翔くん。
「頼むよ。翔さん!翔さんがMC回してくれないと、段取り狂うから」
(この場に相応しいと思う、言葉を選んだつもりだけど…)
A「ほんとは、お腹空いての、省エネモードだったりして♬」
相葉くんが笑顔で翔くんの両肩を後ろから抱き付く。
N「そうですね。いっぱい食べましょ!!!」
ニノも笑顔で横から抱き付く。
S「大丈夫だってぇ!お腹は空いてるけど、ホントに取材の事考えていたの!」
テレ顔の翔くんが二人を振り払おうとする。
(リーダー…なぜ、この会話に入ってこないの?)
いつもなら、真っ先に『翔ちゃん』って抱き付くのに、リーダーがリーダーの顔のままで見ている。
(チーフは気づいている…?
何より…この二人に戻ってもらわないと…
ちょっと困る…)
マネ「松本さーん。電話です」
廊下の突き当りの部屋から顔を出したマネージャーが俺を呼ぶ。
一斉にそっちに顔を向けるメンバー
(ナイスタイミング!!)
「ゴメン。先 いくね」
片手をあげて、歩き出す。
N「ジェィ 何ぃ食べる?」
ニノが後ろから声を掛けてきた。
「ぅんー適当に頼んでて!」
後ろ走りしながら、答える。
N「了解しましたぁ」
ニノがニコッと笑った。
「だれから?」
ワザと皆に聞こえるように、ドアの前でマネに質問する。
マネ「ハゥマーさんです…」