第9章 特別製の舞台
二宮視点
O「Tree, two, one, go!」
大野さんが真剣な顔をしてカウントして飛び上がった。
S&M「イエイ!」
上にいる二人からの歓声が聞こえる
大野さんの着地音も綺麗だったけど、さっきの何かを思い出したような顔が気になる。
≪綺麗に飛んだ?≫
{はい。サトシ とても綺麗な着地です}
A「よし!次。オレぇ」
気合いいっぱいで鼻息を荒くした相葉さんが台に乗ろうとする。
{マー ケガをする可能性あり}
「次。私行きますよ!」
“理解者”の声に反応して相葉さんに声をかける。
A「えー俺は?」
抗議の声を上げる相葉さん。
(あなたは、ちょっとテンション下げた方がいいですよ)
「潤くんに さっき笑った事…言いますよ?」
ニヤッと笑う。
(こう言うと、大人しくなるでしょ?)
A「え!いや、それは困る!先に飛んでいいよ!」
青ざめるマー君は、順番を譲ってくれる。
(そうそう、少し落ち着いて…ケガだけはしないでよ)
「じゃ、お願いします。Tree, two, one, go!」
すでに、準備万端のスタッフに声を掛ける。
着地は何とか普通にできたと思う。
S「どう?」
翔さんが近づいて来る。
「スタッフのタイミングは大丈夫だと思うよ。怖くなかった」
M「じゃ。あとはドコで飛ぶかだね…」
A「もういい?俺飛んでいい?」
下から相葉さんが声を掛けてきた。
「…あー…
≪着地地点を確保!≫
{配置済み}
うん。どうぞ」
ステージ下のマー君に返事する。
A「いきまーす Tree, two, one, go!」
羽を背負ったように高く飛び上がってきた相葉さん。
≪ペスカトレ≫
二宮の放った『言の葉』は淡い黄緑の輝きになり、相葉の体を包む。
”理解者”達がきちんと着地できるように誘導する。
A「おっとと へへ。使い方、要練習だね♪」
着地でよろめきながら笑う相葉さん。
「それ!明日 できなくなるから…」
(たく…テンション上がると‘力’駄々漏れになるんだよ…)
O&S「ハハハ!」
よろめく姿が面白かったのか上二人がいい顔して笑っている。