第9章 特別製の舞台
櫻井視点
M「とりあえず、俺 あがってみるね」
松潤が率先して、台の上に乗る。
周りにいつものスタッフと現地のスタッフが来る。
M「じゃ、よろしく」
スタッフに合図をすると、ゆっくり台が上がって行く。
潤が上がって行った台を下から見上げる俺。
(松潤に、こっち側の情報を伝えないと…)
スタッフの動きを意識的に見ている。
(ぎこちないなぁ…)
舞台の骨組みを触りながら周りを見ている。
スタッフ「Is this speed OK?」
訳 このスピードOKかな?
スタッフ「A problem of timing.」
訳 タイミングの問題だな。
現地のスタッフがボソボソ話している。
M「すみません。一度おろしてください」
松潤を乗せた台はスーっと下りていく。
(下りるのはスムーズかぁ…やっぱり、タイミングの問題なんだな)
松潤が台から下りれすぐ俺の方に走って行く。
M「翔さん 次、行く?」
(確認したい事もあるし…)
「ああ……松潤くらいのスピードで、上に上がってみたい」
M「いいよ」
「じゃ…I'm slowly, too.」
訳 私もゆっくりでお願いします
側にいた現地のスタッフに声かける。
スタッフ「Yes」
スタッフたちが台の取っ手に手をかけている。
「Tree, two, one, go!」
指と声でスタッフにタイミングを伝える。
乗った台がスムーズに上がって行く。
ステージの上に上がると、だいぶ暗くなっていた。
「すみません。下してください」
潤と同じように下に降りる。
下の様子が見える位降りると「ちょっといい?」ニノの声が聞こえた。
素早く台から降り何かしら話している輪に入る。
N「…少し怖いですね」
M「どこら辺がこわい?」
N「ほんの数秒なんですよ。UPする時間は。でも…こう…スタッフの動きだけで、曲にあうかな…」
(ニノも感じたんだな…)
「松潤!タイミングがわからないみたい…」
M「タイミング?」
「俺たち独特のタイミングをコッチのスタッフに求めると、ズレが起こると思うんだ」
M「ズレ…」
松潤が俺をじっと見つめてきた。