第2章 出発前のゴタゴタ
日本時間17日の東京 二宮視点
テレビ局の駐車場で、チーフと
いつも以上にテンションの低い大野さんと
いつも以上にテンションの高い相葉さんとで
番組収録が終わって出てくる翔さんを待っていた。
A「まだかなー♬まだかなー」
ウキウキという擬音が聞こえてくるようなテンションのマー君。
「遠足に行く小学生ですね…」
PSPを操作しながら呟く俺。
A「気分はそうかも!!うふ・・ひゃひゃ」
テンションはドンドン上がって行くマー君。
「そのテンション…ヤッパ気持ち悪いよ…」
呆れて顔を上げると、
何も話さず、ジッとシートに沈んでいる大野さんが見えた。
(あれは、アレで問題だよな…)
日常的な会話にすら入ってこない大野さん。
A「大ちゃん?」
相葉さんが声を掛けている。
(今は…やめと…)
O「・・・なんだよ・・」
大野さんの不機嫌な低い声が聞こえる。
A「ご、ごめん…なんでもなぃ…」
震えあがった声を上げるマー君。
(長い付き合いなんだから…状況くらい判断しろよ)
ピピピ ピピピとチーフの電話がなる。
チーフ「はい。あ!いつもお世話になってます…
はい。今駐車場で待機してます…」
(チーフの声色が変わった…)
チーフ「え?
ぁ…そうですか…わかりました…」
渋い顔で電話を切るチーフ。
(何事だろう…)
「どうかしましたか?」
直ぐチーフに声をかける。
チーフ「櫻井が…別行動になった…」
A「え?別行動?なに?翔ちゃんだけ?何かあったの?」
マー君が早口言葉のような勢いでチーフに問う。
チーフ「櫻井には…同じ飛行機で、向こうにはいくけど、
…ZEROの取材チームと行動を共にするんだ…と…」
チーフの顔が困ったではなく、怒った顔になる。
A「ぜろ?あーZEROね。OK!OK!トラブルかと思った。
ひゃひゃ。よかったぁ」
チーフ「三人は先に空港に行くか?待ってても…一緒に行けないから」
チーフがハーっとため息を付いた。
(その口ぶりは、イレギュラーな事ですね…)
PSPを画面をオフにして、状況を確認しようとすると、今まで、ほとんど動かなかった大野さんが、音もなく立ち上がった。