【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第10章 ~家康´~
三成「なお様のお隣、よろしいでしょうか」
政宗のいた座布団にちょこんと正座をする。
「三成君、どうしたの?」
その顔は強張り、やや俯き加減で何かを耐えているような様子。いつもの輝くような笑顔はそこになかった。
三成「なお様・・・」
物憂げな表情でなおを見つめる、澄んだ瞳。
三成「私は、家康様となお様との間に新しい命が宿ったと聞き、とても嬉しく思い・・・」
そっとなおの手を取り、優しく握る。
三成「こんなに悦ばしいことはありません」
「うん、ありがとう」
三成「それなのに、なぜか私の胸が、張り裂けそうな程に・・・」
家康「そこまで」
目の座った家康の手が、三成の手を引き剥がす。
家康「お前、何言う気?」
三成「何を言うべきか、それが私にもよくわからないのです。それに、なお様の顔が何度も頭に浮かび、涙が勝手に溢れます。どうしてでしょう?」
儚げに微笑む天使が、その唇を噛み、
三成「胸が、とても痛みます・・・」
家康「それ、単なる成長痛だから。ほっとけばそのうち治る」
冷たくあしらうと、三成から隠すようになおを抱き寄せる。
政宗「おい三成!俺の席を取るなっ」
三成「譲っていただけませんか?今夜はどうかなお様のお傍に・・・」
家康・政宗「駄目だ!」
三成「では秀吉さ・・・」
秀吉「ふっ、 無理だな」
そしてまた、四人の男がなおの隣を奪い合う。
(あ・・・)
ふと見ると、上座で信長が手招きをしている。
そっと席を立ち、そちらへと移動した。
信長「貴様も大変だな」
「ははは・・・」
信長の杯が空であることに気づき、
「どうぞ」
と酒を勧める。