【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第10章 ~家康´~
秀吉「なおがお前の所に行くと聞いた時は心配したが、あいつのこと大切にしてくれているようだし、お前も幸せそうで、本当に良かった」
全てを包み込むような笑顔を家康に向ける。
家康「なおが言ってましたけど、秀吉さんは“しすこん”だって」
秀吉「それはどこの国の野菜だ?」
家康「妹萌え、だそうです」
秀吉「妹が、燃える・・・」
首を傾げる秀吉に、家康が真剣な顔を向けた。
家康「そのうち秀吉さんの甥か姪が生まれますので、その時は可愛がってやってください」
秀吉「何っ、本当か! 良かったな、家康。俺も嬉しいぞ」
家康の肩を叩き、満面の笑みを見せる。
秀吉「今夜は祝杯を上げよう。政宗にも腕を振るってもらわないとな!」
静かに襖を閉めると、秀吉は部屋の隅で長持の中を探し始める。
秀吉「あったあった、これだ」
なおがまだ城に住んでいた頃、秀吉に似合いそうな反物を選び、縫い上げてくれた羽織。
汚さぬよう、傷まぬよう大事に仕舞い込んで、なおが城にやって来た時だけ羽織るようにしていた。
秀吉「今夜の宴にはこれを着ないとな」
袖を通そうとして、ふと動きが止まる。
秀吉「・・・っ なおーーー・・・」
羽織を抱き締めるようにして文机に突っ伏す。
こぼれる雫が、青磁色を深緑に変えていく。
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政宗「ちゃんと食ってるか?なお」
宴が始まる前に多少の諍いはあったものの、皆楽しそうに酒を飲み、料理を堪能している。
なおの隣は、政宗と秀吉。
平和を愛するなおの提案で、席はくじ引きで決めたのだった。
政宗「これも食え、お前のために作ったんだ。精がつくぞ」
「ありがとう。これ、なあに?」
政宗「宇治丸だ」
秀吉「なお、良い子を産めよ?お前同様可愛がってやるからな。困ったことがあれば何でも言え」
酒で頬を赤くした秀吉が、なおの髪を撫でながら微笑みかける。
秀吉「お前の娘なら、きっと日ノ本一美しい女になるだろう」
「男の子かもしれないし、まだわかんないよ」
皆が喜び、祝ってくれることが嬉しい。
なおの笑顔はいつにも増して眩しく映る。
「ところで、三成君は?」