【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第9章 ~家康~
「待って・・・家康っ」
ぐっと肩を押し、距離を作る。
家康「何・・・あんた、まだ分かんないの」
眉を寄せ、なおに詰め寄る。
家康「ねえ、馬鹿なの?俺が好きなのはあんただけで、この先もあんた以外必要ないって言ってるんだけど、分からない?」
「いっ、家康っ 違・・・っ」
家康「あんたが違うって言ってももう離してやらない。嫌だって言っても、絶対離さない」
一気にまくし立てると、なおの頭を胸に強く抱き寄せる。
家康「俺が欲しいと思うのは、なおだけ」
「あ、 う・・・ うん。 ありがと・・・」
家康の腕の中で、耳まで真っ赤にしたなおが小さく頷く。
と、突然、
家康「あ、 ・・・そうだ」
腕を解き、袂を探る。
家康「これ、なおに」
「え・・・ わ、かわいい! これ、だるま?」
描かれた顔が穏やかで、何とも可愛らしい、小さなだるま。
家康「そう。子宝に恵まれるらしいから」
「へっ!?」
家康「あと、これも」
「張り子・・・犬、かな?」
家康「安産祈願」
「えぇっ!!」
家康「文句ある?」
目を細めてなおを睨む。その頬は赤く、
家康「あんたが会ってくれなかったから、憂さ晴らしに一人で城下へ出かけた。たまたま目に留まったから買ったけど、でも俺は、本気でそこまで考えてるから」
照れを隠すように、顔を横に背ける。
けれど、なおを抱き締める腕が緩められることはない。
「すごい効き目」
家康の腕の中、なおがぼそりと呟く。
家康「?」
「あの日私も城下へ行ったけど、途中で具合を悪くして、すぐ帰ったの」
抱かれたまま、家康を見上げる
「女中さんには暫く部屋で休むように言われて。家康がお城に出かけている間、お医者さんまで呼ばれてね」
外で見かけたから、それは知っている。でも、どこも悪くないと・・・
「あ、あのね、家康・・・ 私のお腹に・・・」
腕に更に力を込め、なおを強く抱き寄せる。
家康「嘘みたい。 なんなの、これ効きすぎでしょ」
そう呟き、鼻をすする。
「ほんとにね」
家康の髪を優しく撫で、なおが笑う。