【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第9章 ~家康~
「私の大好きな家康に、他の女の人が親しげに寄り添っているのを見て、すごく落ち込んだというか・・・寂しかったの」
家康「照れるような事さらっと言わないでくれる。それに、俺は死んだ目してたと思うけど」
「こっちからは見えなかった」
少し辛そうな顔をするなおを支えるように、肩に腕を回す。
「出掛けたはいいけど、気分が悪くなってすぐに帰ってきたら、ミツさんがね・・・」
あの女中頭は何かを感じ取っていたのだろう。
兎に角部屋でゆっくり休むように、明日侍医を呼ぶから、の一点張りだった。
「一日中酔っているような、どんなに休んでも、あまり気分がよくないの。だからごめん、さっき・・・その、口づけ・・・」
家康「わかった」
腕の中のなおを見下ろすと、額にそっと唇を寄せる。
家康「これなら文句ない?」
「ふふ・・・ないです」
なおが穏やかに微笑む。
「あ、でもね、発見したことがあるんだ」
胸元の合わせから、小さな袋を取り出すと、
「これ、嗅いでみて」
家康に手渡す。
家康「あ・・・香りが・・・」
また家康の手から受け取ると、
「これね、あの日家康が私にくれた花なの」
いつか枯れてしまうと思うと寂しくて、そうなる前に乾燥させ、香り袋を仕立てた。
「とてもうまくできたから、家康にあげようと思ったの。家康、お花が好きみたいだから」
それが叶わなくて、部屋に持ち帰った。
部屋に閉じこもっていた時、家康の事を思い、何の気なしに握りしめていたのだが、その香りが胸のつかえを和らげてくれるような感じがしていた。
「家康が傍にいてくれるような気がして」
けれど、やはり、
「こうして家康が抱き締めてくれる方が、ずっと落ち着くけどね」
家康の手に、手を重ねる。
家康「別に、花が好きってわけじゃない」
指を絡め、なおの手を引き寄せ、
家康「けど、あんたが喜んでくれるなら、何度でも贈るよ」
手の甲に、そっと口づける。
花が好きなんじゃない。
花を眺めて微笑むなおが好きだから。
その顔を見せてくれるなら、何度だって贈るから・・・