【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第8章 ~謙信~
「顔色もいいですし、安心しました」
なおがほっとした表情を見せる。
謙信「お前には知らせぬよう言っていたが・・・?」
「あ・・・、う、噂で」
謙信「噂好きの忍びか」
「あはは・・・」
上半身を起こした謙信の肩に、なおが羽織を纏わせる。
「私のせいで、すみません」
申し訳なさそうに俯くなおの頬が僅かに染まった。
謙信「あれは俺がしたことだ。お前に非はない」
むしろ、
謙信「お前に無理をさせたから、長引いたか」
なおの頬に優しく触れ、ゆるりと撫でる。
「いえ、そんな・・・っ」
真っ赤になるなおに、謙信が僅かに微笑んだ。
謙信「約束通り、出かけるか」
立ち上がろうとすると、
「え!? だめですよ、まだ休んでないと・・・っ」
謙信「治った」
「だめですっ!」
謙信の腕を掴み、布団に引き戻す。
外は凍えるような寒さ。
今夜の約束を果たせそうにないけど、代わりに・・・
「謙信様、少し待っててください」
なおが部屋から出て行く。
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「一日早いですけど、謙信様、お誕生日おめでとうございます」
祝いの品を差し出しながら、今日はこれで我慢してください、となおが微笑む。
謙信「灯篭・・・?」
「佐助君にもちょっと手伝ってもらったので、私と佐助君から、と言う事で」
ろうそくに火を灯すと、火袋に置く。
何の飾りもない、丸みを帯びた灯篭。
だが、内から僅かにこぼれる光に、
謙信「これは・・・」
美しさに目を奪われる。
夜空に輝く星のように、無数の光が瞬いていた。
「知り得る限りの星を再現しました」
少し得意げな笑顔でなおが指差す。
「謙信様の星は、これです」
水瓶を持った、輝くほどの美少年。
「私の星は・・・」
なおの瞳に、星が揺らめく。