【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第8章 ~謙信~
佐助「なおさん、お邪魔していい?」
「大丈夫だよ、どうぞ」
そう答えると天井の板が一枚外れ、忍者が床にひらりと降り立つ。
佐助「こんにちはなおさん。今日は具合どう?」
「大分いいよ。 毎日寝てばかりで逆に疲れるというか・・・」
現代の風邪薬の有難さが身に染みる。
あれから数日経つが、まだ調子が戻らず、なおは部屋で過ごしてばかりいた。
謙信の命令で部屋には世話をする女中しか出入りできず、その本人も、忙しいのかあれきり顔を見せなかった。
佐助「今日はこれを持ってきた」
何かの粉末をなおに手渡す。
「今度は効くかな・・・何の粉?」
佐助「聞かない方がいい」
「え・・・」
謙信の目を掻い潜り、佐助や幸村、信玄まで度々訪ねてきてくれ、遅いながらもなおは快方に向かっていた。
「ぐ・・・っ! と、ところで佐助君」
謎の漢方を飲み下し、あまりの不味さに顔をしかめる。
「最近謙信様、どうしてる?」
佐助「・・・ ・・・なぜ?」
「ずっとお会いしてないし。いや、部屋に来てもらうのは申し訳ないから、顔が見られないのは良いんだけど。誰も謙信様の話をしないから、どうしてるかなって」
佐助「・・・」
眼鏡の奥の瞳が、真っ直ぐなおを見据える。
佐助「謙信様の部下としてではなく、なおさんの友人として、言わせてもらう」
「・・・ん?」
佐助「熱を出して、寝込んでる」