【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第8章 ~謙信~
「私のお散歩には、お決まりの道順があって・・・」
無邪気に話しかけながら歩くなおに、謙信は目を細める。
「でも一番のお気に入りは、天守から見る星空です」
謙信「お前は夜も出歩いているのか」
誤魔化すように笑うなお。
謙信「星など見て何になる」
「何にもなりませんけど・・・この季節はとても綺麗に見えますし、高いところから見ると、星に近づけた気がして。いつか謙信様と一緒に・・・」
そこで言葉が途切れた。
なぜ、諦める?
謙信の手が、なおの手を優しく包み込む。
言葉は無くても、約束するかのような温もりに、なおが微笑み返した。
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佐助「なおさん、お茶飲む?」
幸村「菓子食うか?」
信玄「体を拭いてやろう、脱ぎなさい」
どこか楽しげな三人の表情に、なおは口を尖らせる。
「何でそんなに嬉しそうなんですか」
幸村「普段イノシシなくせに、今日は大人しいから面白れー」
「当たり前でしょ・・・こんな時まで、 って、普段もイノシシじゃないですっ」
佐助「幸村、あまりなおさんを興奮させるな」
信玄「よし、口移しで水を飲ませてやろう」
寝込むなおを囲み、男たちが騒ぐ。
(休みたいんだけど・・・)
と、突然襖が開き、
謙信「お前達・・・」
いつもの倍冷徹な表情をした謙信が姿を現した。
なおの枕元に陣取っていた信玄を横へ押しやり、そこに腰を下ろすと、
信玄「艶っぽいだろ」
そう耳打ちされる。
謙信「・・・」
「・・・」
信玄「・・・」
幸村「・・・」
佐助「弱ったなおさんにどんな言葉をかけるか、注目の瞬間」
謙信「・・・散れ」
信玄「おー怖っ」
放たれた怒りの声に、三人はにやにやしながら部屋を出て行く。
謙信「体を冷やすなと言っただろう」
「すみません。でも、熱もそれほど高くないですし、思ったより元気なので、きっとすぐ治ります」
謙信の冷たい手の甲が、なおの首元に差し込まれる。
「・・・っ」
謙信「熱い」
「平気です」
頬をうっすら染め、にこりと笑って見せるなおは、信玄の言うように、いつもより・・・