【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第6章 ~光秀~
【丈母】
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光秀「あいつの方が手強いだろうからな」
なおの手を引き、廊下を進む。
妹だ何だと言いながら、なおを溺愛していた秀吉。
あの性格なら、本当の気持ちは決して表に出さず、これからも完璧な兄として振る舞うだろう。
問題は・・・
「光秀さん、今からみんなに言って回るんですか?」
まだ涙の痕を残しているなおの瞳が不安気に揺れる。
光秀「当然だ。お前に対してこれ以上好き勝手されないようにな」
閉じ込めてしまえればどれだけ楽か。
餓えた獣の群れに肉を放り込む様な、いつもの光景を思い起こす。
「なんか照れるな・・・」
強く握られる光秀の手を見つめ、なおは頬を赤らめる。
光秀「政宗」
中を覗くが、台所は無人だった。
「もう全部作り終わってたし、部屋に戻ったのかもしれませんね」
光秀「・・・」
ぐるりと辺りを見渡すと、
光秀「ここで朝から二人で料理していたのか」
なおを見下ろす。
「簡単な手伝いばかりでしたけど、今日も政宗に色々教えてもらいました」
光秀「そうか」
繋いでいたなおの手を引き寄せる。
「・・・っ」
光秀の胸にぶつかる様に体勢を崩したなおの耳元で、
光秀「二人きりで過ごしていたとは・・・妬けるな」
柔らかななおの頬をゆるりと撫でる。
光秀「今ここで、お前の口から聞かせてくれないか」
「えっ、何を・・・」
光秀「俺はお前を愛していると言っただろう。お前はどうなんだ?」
腕の中でなおが光秀を見上げる。
「あ・・・あの、私も光」
政宗「こらっ!!!」
「きゃっ!!」
台の下から飛び出してきた政宗に驚き、思わず光秀の腕にしがみつく。
光秀「おや政宗、いたのか。気が付かなかった」
政宗「お前・・・」
つかつかと二人に歩み寄ると、
政宗「離れろ」
なおの肩を掴み、光秀から引き剥がす。
光秀「政宗。折り入って話がある」
政宗「許さん」
ぎろりと光秀を睨み、手にしていた重箱をなおに押し付ける。
政宗「これで最後だ。これ持って、先に行ってろ」
「え、でも・・・」
政宗「いいから行け」
台所からなおを追い出した。