【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第6章 ~光秀~
政宗「なお、いいか?」
赤く燃える紅葉を見上げ、ぼんやりと座るなおの横に腰を下ろす。
「お弁当、みんな美味しいって言ってくれてよかったね!作ったのはほとんど政宗だけど、私もすごく嬉しかった」
政宗「そうか」
柔らかな風が政宗の前髪を揺らす。
政宗「これはお前にだ」
手渡された小さな重箱は、
「あ、これ、最後に渡された・・・」
政宗「開けてみろ」
中身は、なおが好きだと言っていた饅頭だった。
「これ、作ってくれたの?」
政宗「お前は酒より甘いものだろ」
優しく微笑む。
「政宗、あのね・・・」
政宗「さっき光秀と話した」
「あ、うん・・・」
照れくさそうな表情で政宗を見つめる。
政宗「俺は、まだお前を嫁に出す気はない」
「・・・」
少し離れたところでは、皆が宴を楽しんでいる。
政宗「あいつは変わったな。お前といるようになってから」
「えっ?」
政宗「俺が気付かないとでも思ったか」
驚いた様子のなおの額をつつく。
政宗「隠しているつもりだったようだが、見ればわかる」
「私、そんなに分かり易かった?」
恥ずかしそうに手で顔を覆うなおに小さく吹き出す。
政宗「お前は当然だが、光秀もだ」
腹の底が読めない光秀だが、なおに向ける目だけは違っていた。
それに、さっき台所で話した時の光秀・・・
あんな表情されたら何も言えないだろ。
政宗「だが、油断するなよ。俺はこれからも、隙あらばお前をかっさらうつもりだ。もしお前があいつに泣かされるようなことがあれば・・・」
俺の可愛いなおを泣かせたら、ただじゃおかねえ。
「ありがとう。でも、大丈夫だよ、絶対」
そう言うなおの笑顔は、いつにも増して美しかった。
政宗「これ、食ってみろ」
饅頭と並んで重箱の中にいくつかある、笹の包み。
「ん・・・んん! 美味しいっ」
政宗「だろ?今度作り方を教えてやる」
腹に入れば同じこと、と食事を疎かにする光秀は心底気に入らないが、
政宗「それ、あいつの唯一の好物だ。ちゃんと覚えて、これからはお前が作ってやれ」
俺が納得するようなものを作れるようになったら、お前を嫁に出してやるから。