【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第5章 ~コノハナサクヤヒメ~<裏なし>
「じゃあ、宴を盛り上げる定番のお遊びでもしましょうか?」
一発芸など持ち合わせていないなおは、苦肉の策としてそれを提案した。
「みなさん、人に見せちゃだめですよ?」
箸を握りしめ、真剣な目つきで互いを警戒する武将達。
「殿様だ~れだ?」
信長「俺だな」
秀吉「流石です、信長様!」
政宗「これじゃいつもと変わらないじゃないか」
「まあまあ、じゃあ信長様、ご命令をお願いします」
信長「そうだな・・・では」
鋭い目で全員を見渡す。
信長「五・・・・」
五(あ・・・)
信長「が、 三・・・」
三(!)
信長「の、長所を三つ言え」
ニヤリと口元を緩ませ、信長が命令を下す。
三成「三は私です。長所とは、恐れ入ります」
秀吉「五は誰だよ?」
家康が、握りしめていた箸を放り投げる。
信長「貴様ら、動揺が顔に表れていた。修行が足りん」
政宗「面白いな。早くしろよ家康」
三成「家康様、お願いいたします」
家康は三成の顔を一瞥し、そして目を背けながら、
家康「戦略に関する知識に長けていて、どんな時も冷静な判断ができるところ」
政宗「確かに」
家康「物腰が柔らかく、笑顔で人を和ませることが出来るところ」
秀吉「苦戦すると思ったが、スラスラ出るな」
家康「嫌味も通じず、信じられないくらい鈍感なところ」
信長「それは長所か?」
いっぺんに言い終えると、げんなりとした様子でため息をついた。
三成「家康様・・・っ」
政宗「お前、何泣いてるんだよ」
「あはは!」
信長は静かに杯を傾け、秀吉は笑っている。
三成「私、感無量です。そんな風に思っていただけていたなんて」
秀吉「おい、家康大丈夫か?顔が真っ青だぞ」
家康「・・・どうしてくれるの、なお」
「え、私のせい?!」
桜色の風が穏やかに吹く中、花見は続いていく。