【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第1章 ~幸村~
幸村「・・・ここまでにしとくか」
「・・・は!?」
幸村「これは仕置きだ。お前、他の男に気を許しすぎだ」
「・・・佐助君の事?」
何とか息を整えようと胸に手を当て、潤んだ瞳で見上げるなおの上気した頬を、幸村はムギュッとつねる。
幸村「佐助も、信玄様も、あと謙信様もだな」
「いひゃい・・・離ひて・・・」
幸村「ははっ、変な顔」
言われた通り手を放すと、意地悪な微笑を浮かべ、
幸村「安心しろ、続きは今夜な」
なおの乱れた着物を手早く整え、帯を拾い上げる。
幸村「取り敢えず先に飯だ。お前も来い。広間に用意させてるから」
まだ余韻が残るものの、なおはそれをごまかすように俯き、帯を引っ手繰る。
「お仕置きされるようなことはしてません」
幸村「お前は俺の事しか見てないもんな。わかってる。わかってるけど、どうしようもないんだ」
言いながら、やんわりとなおの頬に触れる。
幸村「こういう顔すんの、俺の前だけな」
「言われなくても」
チュッと音を立て唇が合わさる。そして暫く抱きしめあった後、二人は部屋を後にした。
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信玄「遅いぞ、幸。何をしていた?」
幸村「・・・俺、あんたら呼んだ覚えねーんですけど」
広間の入り口で立ち尽くす。
そこには既に始めている三人の男の姿があった。
信玄「帰るなり天女をさらっていったそうだな。そして今まで姿を見せなかったとなると・・・ふむ」
佐助「デリカシーに欠けるセリフです。お止め下さい」
色香を纏う信玄はいつも通りだが、どれだけ飲んだのだろう、佐助はやや目が虚ろだ。
信玄「天女はこちらに座りなさい。幸は向こう」
幸村「それおかしいだろ」
手を引かれるまま信玄の隣に腰を下ろすと、杯を差し出された。
「あ、あの、私・・・」
信玄「少しでいいから付き合ってくれないか」
杯を受け取るべきか考える間もなく、幸村が間に割って入る。
幸村「なお、お前が向こうに座れ。この席は危険だ」
向こう・・・
目を向けると、こちらに冷ややかな視線を送る謙信と、空になった徳利を高く積み上げ、ギネスに挑戦している佐助の姿があった。
(むしろあっちのほうが面倒くさそうなんだけど・・・)