【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第3章 ~信長~
三成「あっ・・・はぁ、 はっ」
呼吸を乱し、額に汗をにじませ、なおを見つめる。
「三成君・・・」
三成「大丈夫です、なお様・・・最後まで・・・んっ」
紅潮した頬。
潤んだ瞳。
なおは深く息をつくと、
「うん、わかった」
その言葉を聞き、三成はコクリと唾を飲み息を整えると、軽く膝を曲げ、腰を落とす。
三成「いきます・・・っ」
よろよろと放たれた毬が、辛うじてなおの陣地内で跳ねる。
「それっ」
山なりの毬を返すと、
三成「あぁっ!」
なんとか打ち返す。
(武将にもいろいろいるんだな・・・)
三成の正面に、再度打ち返しやすいように優しく返毬してやる。
「三成君!! 思いっきり来てっ・・・」
三成「はい、なお様・・・っ!」
大きく振りかぶった三成のしゃもじは、無情にも空を切る。
三成の足元に、微かな音を立てて毬が落ちた。
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その後、二人は三成の部屋へと場所を移す。
茶葉の漂う濃いお茶を飲みながら、
「疲れさせちゃってごめんね・・・」
なおが申し訳なさそうに告げた。
三成「いいえ、なお様。とても楽しかったです。でも、恥ずかしいところを見せてしまいましたね」
照れてほんのり頬を染める。
天使の微笑に、なおまでうっかり赤面する。
三成「でも、信長様を打ち負かしたというのは本当なのですね。なお様はとてもお上手で、驚きました」
「え・・・ぃゃ・・・あの、 実はね・・・」
あの日信長が最後に見せた強打は、地味な音を立てて毬を叩き壊した。
信長「貴様にはあの須磨っ手(スマッシュ)を返すことは無理だった。仮に出来たとしても、その後確実に俺が勝っていた」
と、自分の勝利を掲げる信長。
「続行不能となった以上引き分けです!更に言わせて貰えば、あの殺気は反則に値すると思うので、私の勝ちですっ」
と言い始めるなお。
お互い譲らず、それぞれに自分の勝利を吹聴していた。