【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第3章 ~信長~
予想だにしない状況に、なおはひどく後悔していた。
得点を意味する、並んだ碁石をちらりと見やる。
黒が十、白が九・・・
信長「次に俺が得点すれば、俺の勝ちだ」
額ににじむ汗を拭い、
「私が取ればいいだけの事です」
デュースの説明をしていなかった。そして、5セットマッチ3セット先取だということも・・・
信長「行くぞ」
信長の放った毬は、調理台の隅ギリギリを突いてくる。
(・・・っ!)
うまく回り込み、なおが打ち返す。
信長「すごい汗だな」
右へ左へとなおを走らせる。
信長「今夜は俺と湯浴みしろ」
「はっ・・・!?」
僅かな動揺がなおの手元を狂わせ、緩く弧を描いた毬が信長の前で跳ねる。
信長「これで仕舞だ・・・!」
一歩踏み込み、信長の剛腕がしゃもじを鋭く振り下ろす。
「あっ・・・----」
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三成「・・・ところで信長様、なお様との勝負はいかがでしたか」
軍議も終わったというのに、皆腰を上げようとせず、誰かがそう切り出すのを待っていた。
信長「当然、俺が勝った」
政宗「え・・・」
家康「なおは自分が勝ったと言ってたけど」
秀吉「俺もそう聞いた。まさか勝負ごとで信長様が敗北を喫するとは」
信長「だから、勝ったのは俺だ」
皆一様に顔を見合わせる。
光秀「さて、どちらを信じるべきか・・・」
その真相は、数日後に三成だけが知るところとなる。