【イケメン戦国】 戦国武将へのサプライズ<R18>
第3章 ~信長~
政宗「おい、何だあれ」
政宗の指差す方向に、秀吉も視線を向ける。
開け放った障子から見える向こう側の廊下を、大きな板がズルズルと横へ移動している。
秀吉「新手の曲者か」
と、腰を浮かせるが、
三成「お待ちください・・・!」
少し慌てた様子で三成が板を追いかけている。
秀吉「あいつ、板の知り合いがいたのか」
政宗「そのようだな。 で、話の続きだが・・・」
二人はまた室内へと視線を戻す。
三成「お待ちください! なお様!」
政宗「何、なお?」
その声に、再び板へと目を向ける政宗。
秀吉は既に部屋を後にしていた。
三成「危ないですよ。私がお持ちしますから・・・」
おろおろとなおの後ろをついてくる。
「大丈夫だよ、私、腕力には自信が」
そう言うなおの手の上から、三成の手がやんわり重ねられる。
「いけません。女性がこのように重くて大きなものを一人でなんて。それに、怪我でもなさったら信長様が心配されます」
困ったような笑顔で、肩ごしになおの顔を覗き込んだ。
(うゎっ、ま、眩しい・・・)
極上のイケメンスマイルに一瞬意識を飛ばしかけるが、何とか持ち堪える。
三成「さぁ、私にお任せください」
と、二人の間に、突然男が割って入る。
政宗「おい三成。板に隠れてなおに言い寄るとは、考えたな」
後ろから三成の肩を掴み、顔を寄せる。
三成「え、何のことでしょう」
秀吉「なお、お前は一人でこんなものを持って・・・寄越しなさい」
三人の武将に囲まれ、あれよあれよという間に取り上げられる。
政宗「お前、自分の部屋で料理の特訓でもするつもりか?」
「違うよ、ちょっと別の事に使いたいの。これくらいの台を探してたんだけど、丁度いいのを大御台所で見つけて」
秀吉「で、どこに運ぶんだ?」
「えっと・・・」
調理台は三人が運んでくれることになり、なおはほかに準備していた道具を取りに、廊下を引き返していった。