第10章 ルール
彼はそれだけ言うと
俯いたまま黙っていた
「えっ、えっ・・・・」
焦っている私に
彼は辛そうに言ったのだ
横山「朝の事や・・・・」
その言葉に私の頭は
彼の姿を思い出し
顔が真っ赤になってしまった
「あっ、あれは」
私は何と言っていいか分からずに
焦って手をバタバタする様子を見ると
彼は言った
横山「俺さ、今朝の件で思ったんやけど」
その言葉の重さに私は怖くなっていた
「何をですか?」
不安げに聞いた
彼が何を思ったのか怖かった
もしかして
もう私と一緒に暮らせないと
思っているのかも知れない
私の顔が不安に染まっていった
そんな私に彼は、
小さいため息を聞かせると
横山「俺たち暮らす為にさ
ちゃんとしたルールを決めへんか?」
「ルールですか?」
私は意外な言葉にビックリしていた
横山「おん、今日の俺やったら
ちゃんと服を着るとかや
そんな事をな?」
「なるほど・・・」
私は彼の話を聞いて納得していた
横山「帰って来たら
必ずブザー鳴らすから
そしたら俺って分かるやろ?」
私は、彼の話に
納得するように頷いた
すると彼は静かに更に告げた
横山「あと・・・・・
絶対に俺のメンバーに
一緒に暮らしてる事はバレたら
アカンからな!」
「えっ?」
彼は私を真剣に見つめた
そして聞いてみた
「えっと、バレないようにしたら
いいんですよね?」
私は不安そうに言うと
横山「おん・・・
絶対にな!」
私は頷いた
横山「絶対にアイツらは
俺をからかうに決まってるから
ホンマに頼むな」
彼は私に頭を深々と下げたのだ
「分かりました・・・・
絶対に誰にも言いませんから
安心してください・・・」
私の言葉に
彼は微笑んでくれたのだ
この彼が言った言葉も理解できないまま
私たちのルールは決まっていったのだ
このルールが今後
私たちを苦しめる事になるとは
知らずに二人で暮らす上で
色々なルールを決めたのだった