第1章 出会い
私は人生を絶望していた
もう明日さえ見えなかったからだ
仕事は人員削減の為に私は簡単に切られ
突然、無職になってしまった
でも私には未来を約束して
同棲していた人がいた
しばらくは、生活は出来ると思って
職を探していると
同棲していた男には女が出来ていたようで
私は部屋を無情にも追い出されたのだ
それから
しばらくは職を探しながらの
カプセルホテル生活していたが
貯金も底を付き
もう一銭のお金すら私にはない
これではもう生きていく事は出来ない
私はそう悟ると
わずかに残った荷物を持って
一人大きい道路の脇を歩いていた
死に場所を探して
そして大きい橋に着いた時に思った
ここから飛び降りようと
もう私には
明日さえ生きる事が出来ないのだから
私は道路の方を向くと
夜中なので車は走ってもいない
これなら誰も止める事はないと思い
私は覚悟を決め
橋の上に立った
下を向くと真っ黒で
ちゃんと見えないが水の音が響いていた
恐怖が私を支配したが
しかし、今の私の絶望に比べたら
そんなモノは怖くなかった
しかし身体は正直で足は震えている
そんな自分に少し笑った
私は一度だけ空を見た
少しだけ曇っていて星が見えにくかった
それがまさに
私の人生のようだと感じていた
小さいため息をつくと
私は思い切って
足を動かし飛び込もうとした
その時だった
横山「おい!何をしてるんや!」
私は男の人の声に止められた
その声に驚き
ゆっくりと後ろに振り向くと
男が車を道路わきに止まらせて
降りながら私を見ていた
「・・・・・・・・」
その人を見たが
私の気持ちが揺れる事はなかった
止められても
もう私の進む道は飛ぶしかなかったから