第2章 悲劇
それから数ヶ月後のことだった。
くるみと芥川が拠点に戻ると、事の全ては終わっていた。
芥川、くるみ、両名を支え続けてくれた大切な家族が、全員息絶えていたのだ。
銃が貫通している者、首と胴が離れている者、眠っているかのように事切れている者…。
辺りは睡眠薬と血の臭いが混ざり合い、華やかだったはずの桜の香りをものの見事に打ち消していた。
茫然と立ち尽くしていると、芥川のつぶやきが聞こえた。
「ポートマフィアだ…」
くるみは、自分の中にこれまで感じたことのない、ものすごい怒りが込み上げてくるのがわかった。
その怒りは、ポートマフィアに、そして、自分自身に向けられたものだった。
もう少し早く着いていたら……‼︎ 皆を救うまではできなくとも、共に死ぬことができたのに……‼︎
気がつくと、誰かのさけび声が聞こえた。
やけに喉が痛くなり、やっと気がついた。
叫んでいたのは私だった。
「うわあああああああああああ‼︎‼︎‼︎」