第4章 マフィアでの生活
その日の夜のことである。
くるみは急ぎ、廊下を駆けていた。
先刻の紅葉さんの言葉がフラッシュバックする。
「芥川が医務室に運ばれたそうじゃぞ?なんでも、太宰との鍛錬の後、急に倒れたそうじゃ。あやつも、無理をさせるものじゃのお。
」
芥川さん…。大丈夫かな…。
太宰さんも何故そこまで無理をさせるのだろうか。
横で練習を見ていたが、あれは異常だったと思う。
私が何度やめるように叫んでも、二人とも聞く耳も持っていない様子だった。
…一度、太宰さんに云わなくちゃ。
無理させるのはやめて欲しい。って。
そう考えていたくるみの腕を、後ろから誰かが突然掴んだ。
そして、その誰かはくるみを自分の方へと振り向かせる。
「太宰さん…!」