一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第5章 キミのために出来る事全て(東堂尽八*夢)完結
東堂side
布施の髪に触れた手が
ヤケに熱く感じた
思ってたよりも柔らかくて細くて
チラリと見えたうなじは
目を奪われるほど綺麗だった
もう少し…と近づくと
布施は慌てて離れた
そこまでイヤがられては
いくらポジティブなオレでも凹む
唯一の救いは布施が
贈り物を受け取ってくれた事
オレのプレゼントを布施が
持っていてくれると思う事が嬉しかった
この調子で一気に仲良くなって
2人でも帰るようになって
あわよくばその先も…と
考えてしまうのは思春期の
男子なのだから仕方のない事だと思う
とりあえず今は1ミリでも
布施との距離を縮めたかった
なのに!
あれだけ【そのままそこで見ておけ】
と言ったのにもかかわらず
着替えを済ませて出てみると
布施は居なかった
「あれ?姫凪
居ないじゃナァイ?東堂また
なんかしたー?(笑)」
「しとらんよ!昨日のお礼を渡して
付けてやろうとしたら…だな…
逃げられただけだ…」
「ハァ!?逃げられたのォ!?
ダッセ!もっとこう強引にガーッと
やっちゃえばイんじゃナァイ?」
「そんな格好悪い事が出来るか!
本能のままガッツくなどオマエか
猿位のもんだ!」
「ハッ!悪ァるかったなァ!
カッコばっかつけた挙句
仕留め損ねて泣いても
慰めてヤンネェからな!」
荒北が鋭い歯を見せて
威嚇するように吐き捨てる
「オレはどんな時でも
格好良くあらねばならんのだ!
オレを見てる女子達の為にもな!」
「オマエ…本当はバカだろ…」
「なんだと!?何がバカだ!!」
「バカに説明すんのなんか
面倒くせぇからイヤだ!
皆のアイドルとかいう
立派な肩書の自分に酔ってろバァカ!」
荒北は鼻で笑うとサッサと
練習に行ってしまった
格好つけて何が悪い!
格好悪い事する位なら
死んだ方がマシだ!
オレはいつだって格好良い
ヒーローのような男でありたいんだ
結局その日の練習中姫凪が
戻ってくることはなかった