第5章 キミのために出来る事全て（東堂尽八＊夢）完結

『チョット…寮反対方向でしょ？
何付いてきてるの？』

「お…オレもコンビニに
用があるんだ！
付いてきてるわけではないぞ！」

『…はぁ…もう勝手にしなよ…』

呆れた顔でため息を吐く
布施の横に並んで歩く

無言で歩く布施に
アレコレ話しかけるけど
生返事が返ってくるだけだ

「布施
オレはオマエに何かしたか？」

『ハァ？なんで？』

「毎日避けられたら気にもなるだろう？」　

『…避けてない。
必要以上に関わる気がないだけ。
てゆっかワザワザ私に関わって来なくても
アンタにはイッパイ居るじゃん？』

不機嫌そうな声で布施が言う

「あ…もしかして…妬いてるのか！？！」

『ハァ？！バカじゃないの？
どこまでポジティブなの！？』　

食い気味に返されて
浮かれかけたオレの気持ちは
地面に叩き落された

「じゃあ一体なんだと言うんだ…」　

『…自分で考えなよ。
バカチューシャ…』

布施はコンビニで
スイーツとベプシとお茶と唐揚げを買った
自分のスイーツだけ抜いた後

『これ、靖友に渡して。
お茶はアンタにあげる』

それだけ言って俺を残して
コンビニから出て行った

「おぃ！置いていくな！」

『用があるんでしょ？
コンビニに。じゃあね！』　

あっという間に走って行ってしまった

「そんな逃げるように
去らなくてもいいのではないか？」

ポツリと呟いて1人寮に戻った