第51章 ♡陽だまりの粒（岩泉一）完結

「うっせぇな」

そんなんじゃねぇんだよ
俺と姫凪（アイツ）は…
そんなんじゃなかったんだよ
だってアイツは

「おいおい
コーチが睨んでるぞー」

花巻（コイツ）と…

いつも通りの四人なのに

「岩泉～
真面目にやれー
遊んでんじゃーん」

「お前らこそ
邪魔すんな！出てけ！ボケ！」

何イライラしてんだよ
メンタルなってねぇよ

スコアボードの近くでたまる
女子達に向き直り怒鳴ると
姫凪がコートの中を
見つめるのが目に映る

その目に映ってるのは
俺だと思ってた

俯いて体育館を出る
姫凪に声も掛けられないまんま
時間だけが虚しく過ぎて行った

昼休み
味気ない飯
放課後
一瞬見えた姿は
あっという間に
体育館から消えてしまった

「あれ？岩ちゃーん
姫凪ちゃん
いつの間に帰ったの？」

「俺に聞くなよ
用事でもあったんじゃねぇか」

適当に返した言葉に

「…気になんねぇの？」

花巻の不機嫌な声が重なる