第50章 年下男子はお嫌いデスカ？（二口堅治）完結

カレカノじゃないなら
"布施さん"って
呼ばないとダメなんじゃね？
"二口くん"って
呼ばれないとダメじゃんよ…

「…じゃあ！堅治くんって呼ぶ！
それなら良いよね！
堅治くん、食べよ！
美味しいものイッパイ食べて
…忘れようよ、悲しい事なんて」

暗くなる俺の手を掴み

「私もチョット熱で寝込んでて
あんまり食べられなかったから
お腹空いてるの！
一人で食べまくるの恥ずかしいから
堅治くんも食べてよ
堅治くんは何が好き？」

メニューを押し付けてくる

「いや、腹減ってねぇし
つーか、名前で呼ぶなって…」

「嫌だ、呼ぶし。
呼び捨てはしてないもん
良いじゃん、ケチ」

俺の拒否を拒否して

「ノリ悪い
顔色も悪い
無理してるのバレバレで
見てられない…のよ」

メニューで他のメンバーからの
視線を遮り

「…堅治くん…
そんな顔、似合わないよ
生意気だったり
毒舌だったりがデフォだったじゃん
そっちのが似合ってるよ」

俺にしか聞こえないボリュームで
ポツリポツリと話し掛けて来る