一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第49章 煙の向こう側に笑みを(白布賢二郎)
エレベーターを待つ時間すら惜しくて
階段で目的の階まで駆け上がり
天童さんの部屋の前に着いた
「鍵…開いてる?」
インターホンを押す前に
引いた玄関のドアの取手からは
施錠をした感触は伝わらず
カチャリと無防備な音を立てる
早足でリビングに続く廊下を進むと
「さぁ?オオカミさんは
気紛れに豹変するかもよー?
豹変しちゃって良いー?」
聞き捨てならないセリフ
冗談…
『はい?』
「美味そう…
姫凪ちゃん、おいで?」
じゃ、なさそうスね
甘い声、背中しか見えねぇけど
絶対ヤバイくらいキメ顔してるはずだ
『天童さん?』
おい、コラ。
お前はもっと警戒心持てバカ。
なにキョトン声出してんだ
まさか無駄に色気ありまくりな
天童さんに絆されてんじゃねぇべな?!
大きな背中に隠されて
どんな表情してんのか分からねぇけど
『ねぇ、髪の毛、まだ?』
無防備なのは間違いねぇな。
後でオボエテロ、こんにゃろめ。