第49章 煙の向こう側に笑みを（白布賢二郎）

そうだった
ナナ（コイツ）は
これでも俺と今までで一番長く付き合ってて
俺の行動パターンは
かなり正確に把握してる

わざと冷たくあしらう時は
本当は悪いと思ってる事も

「賢二郎…大好き
ね？触ってよ…」

そんな時に甘えられると
断りにくくなる事も。

ナナが自ら開いた胸元は
大きく膨らみ谷間を作って
目が行かないと言えば嘘になる

腹は減ってる
ケンジロウの準備だって万端だ
ただ

「ナナ、いい加減に…」

相手はお前じゃねぇんだ
俺の心は

「大丈夫…また付き合おうなんて
面倒な事言うつもりないってば。
彼女とか賢二郎にとって
面倒臭いの知ってるし。
だから、遊んで？
賢二郎…スキでしょ？
私も…私の身体も…」

「うっせ」

一人しか欲してねぇよ、悪ぃな。

ナナの開いた胸元から
目を逸らしユックリそこに手をのばす

「なにするの？」

「見て分かんね？
もう付き合えねぇって言ってんだよ
こういう事には」