一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第49章 煙の向こう側に笑みを(白布賢二郎)
だけど
心までは入って来ない
その甘い声は
さっき別の人の名前を呼んでたから。
『なに?
邪魔してゴメンね
すぐ帰るから気にしないで
あの人と居ればいいじゃん』
振り向かず必死に笑いを混ぜて
放った私の言葉に
「…何言ってんの、お前。
話聞け…聞いてくれ
えっと何から話すかな…
まず、アイツが部屋に居たのは…」
いつもと変わらない声色が重なる
『聞いてないよ?
なんで居るのかとか興味ないし
別に気にしてなんかないし
…好きにすれば良いよ
彼女…なんか面倒なんでしょ?
なら、もう良い!』
良いわけないよ。
でも…
「は?待て…姫凪
チャント聞…」
聞きたくないの。
聞くの…怖いの
なんて言われても
素直になれない
頭の中は嫉妬でグチャグチャで
酷い事しか浮かばないから
可愛くない事しか言えないのが
予想出来すぎて怖いから
嫌われたくなんかないのに
嫌われる事しか言えない
出来ないのが
分かっちゃうんだもん。