第48章 小悪魔な甘さ（真波山岳）　バレンタイン2019 完結

『…あの…授業が…』

「受けなくても死にませんよ」

『でも…あの子が…』

「オレが布施さんと
話したいからココに居ます
なんで布施さんは
委員長にそんなに気を遣うんですか？
オレの気持ちは気にしてくれませんか！」

ソワソワする布施さんの
手を握り続けて
浮かぶままに言葉をぶつける

無理矢理に連れ出して
逆ギレなんて
オレが女子なら絶対嫌で

でも…

「オレの気持ちなんて
ちっとも分かってないくせに…
義理じゃないなんて…
布施さんこそ
期待させないで下さい…よ」

頭に入り込み過ぎた情報を処理する為に
話し続けてしまう

分からない
分かって欲しい

『期待…なんて…
あの子が居るのに…私なんか…』

"なんか"なんて言わないで
言わせたくない

「オレは！布施さんが
良いんだ…！
なのに何で…離れるんだよ！」

言わせない！

布施さんの腕を引き寄せて
細い身体を抱き締める