第47章 痛みにて咲く（角名倫太郎）　生誕記念　完結

作戦失敗だけじゃ
私への仕打ちが足りないのか

神様は

「カラオケ行く？
それとも…」

『私はどこでも…
どうせ用事なんも…ないし』

「用事あるから
帰ったんじゃねぇんだ？」

最悪な状況を用意してた

こんなサプライズ
笑えへんよ
でも…泣く事も出来へん

『角名先輩！
こんにちは！
えっと…私…』

必死に取り繕った笑顔もどきに
返って来たのは

「何笑ってんの？
無理して笑って楽しい？」

いつもより冷たい角名先輩の声
無理してなんか無かった
今までは。

無理しなくても
隣に居るだけで笑えたから

でも、もう
角名先輩の声も言葉も
視線も全部が痛い

『別に無理してないです！
笑いたいから…笑ってました！
今日は笑えないから…帰りました！
だから…』

泣かないだけで精一杯
もう、溢れてまうから

「無理してンじゃん」

『…関係ない…でしょ
角名先輩には…

今までゴメンナサイ！
ええ加減に諦めて
次行かな、ですよね！
ゴメンナサイ…サヨナラ。
行こう…』

そう、これがきっと一番。
これ以上嫌われたくない

「おい、布施サン！」

せめて引き際くらい

『…サヨナラ！』

笑顔が…良かったなぁ…

背を向ける一歩手前で溢れた涙
最後の最後やのに

ホンマどんだけ面倒くさいんやろ