第47章 痛みにて咲く（角名倫太郎）　生誕記念　完結

「姫凪ちゃん！
今日はパンケーキでも…」

『ゴメンナサイ、用事あるんです
サヨナラ』

ナナさんとサクラさんに頭を下げて
部室前を後にして
走って校門を抜けると

「おい！布施！？
どうした！？」

幼馴染のアキラに声をかけられた

『なんもない…
そっちこそ、彼女は？
いつも一緒やのに…』

「いや、それがな
喧嘩してもーて…
仲直りのプレゼントでもして
機嫌取ろう思うねんけど
女子が喜ぶモン分からんし
ここで待ち伏せして
クラスの女子に買い物付き合ってって
頼み続けて
既に15連敗…
どうせお前も
"彼氏と予定あるから～"とか言うて
断わるんやろ？
最近二年の何とかっつー
バレー部の人と…」

『彼氏なんか居らへん…し！
予定なんかない…！』

「そうなん？
ほな、付き合ってくれるん」

まだ新しい傷口に
塩を塗られる前に
アキラに付き合って
少しでも痛みを和らげたい

頷く私に飛び跳ねて喜び
二人で駅前へ。

可愛いアクセサリーを探して
どうにか流れそうな涙を
忘れようと笑ってみるけど

「布施、ハンバーガー食う！？
お礼に奢るからさ！」

『要らん…お腹空いてない』

「そんな事言わんと！
腹減ってるから
そんな景気悪い顔してんやろ！
な！行くで！」

どうやら笑う作戦は
失敗みたいで
ズルズルと引き摺られる様に
ハンバーガーショップに
連れて行かれてしまった