第46章 小さく恋、育つ（宮侑）　生誕記念　完結

「…うん、そない大した事ないけど
部活と体育は休みなさいね
湿布はこまめに替えて…」

診察はアッサリ終わり
予定通りポッカリ空いた時間

そのまま足を運んだのは
姫凪の家の近くのコンビニ
プリンにゼリーに…
喉痛くても食べれそうな物を
イソイソとカゴに放り込んで

姫凪の家へ向かった

インターホンを押して
しばらくすると

『サクラ？忘れモンでもした？』

電話越しより枯れた声
そして無警戒に開くドア

「おん、忘れモンした」

『…侑！？ええ！？
な、んで！？ええ！？ｹﾞﾎﾝｯ』

一瞬、姫凪の時間が止まり
鳩が豆鉄砲くらったみたいな顔して
咳き込み

『な、なにしてん？！
学校は！？
まさか、治くんも！？』

俺の後ろを気にしながら
前髪を直す姫凪

ムカチンッ

俺やったら
ボサボサでエエのに
治やったら
直すんかい！

ふーん、ふーん？
チョット意地悪したろかな…