第46章 小さく恋、育つ（宮侑）　生誕記念　完結

「お前…風邪？」

〈大した事あらへんよ
熱も別にないねんけど
サクラが過保護やから
休まされただけ
侑こそこんな時間に
なに？〉

声以外は元気そうで
いつもの姫凪やし
熱は無いんやろうけど

「なーぁんも？
ヒマ電しただけや
弱々しい声聞かせてから
チャント食うてんか？」

心配なるやろがい。

〈ん？ボチボチな〉

「さよか。
ほな、まあユックリしぃや
サボるん久々やろ」

〈サボり言うな！
別に好きで休んだわけや…ｹﾞﾎｯ！〉

「はいはい、わかった
ごゆっくり～」

咳き込んで返ってこない声に
切る通話

「ホンマ…何しとんねん…
足痛いっちゅーねん」

あんな苦しそうなんが最後やったら

「…1限に間に合えばエエやろ…」

ほっとかれへんやん

ゴソゴソと用意をすまし
治の登校の少し前に家を出て
朝イチ病院の受け付けを済ませる