第44章 コエとオレ（灰羽リエーフ）818の日記念　完結

飛び起きながらワンコールで出ると

〈え…早い…掛け直…〉

記憶に蘇る声
募った想いをぶつける様に叫んで

「早くねぇし！遅いし！
もう四日待った！！
なぁ！暇？！会おう！」

繋ぐ言葉

疑わなかった
応えはイエスだと

「この前会った所に来いよ！
奢る！飯食おう！」

一方的に約束取り付けて
電話を切った
おめかししながら
登録しようとして気付く

名前、聞くの忘れてた。

「ま、いっか！
後で聞けば」

消えないように
テキトーに「あ」とか入れて
登録した番号は
電話帳のトップバッター

これアリじゃね？とか
浮かれて家を飛び出して
待ち合わせ場所に向かった

待つこと数分
あの子が申し訳なさそうに現れた

「チョットしか待ってないから
ダイジョブ！
行こうぜ！この先に美味い店が…」

当たり前に伸ばした手
笑いかけた顔

同じモノが返ってくると
思ってたのに

『ごめん…なさい』

深々と下げられた頭