一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第4章 君に届け(丸井ブン太✴︎夢✴︎WEBリクエスト作品)完結
「返事は今じゃなくて良い…
私、待つのは慣れてるから」
サクラが身体を離して
俺の手を握って言った
「あぁ・・・」
振り払えなかった手には
サクラの手の温もりが
いつまでも残った
この手を選ぶのが自分の
為だなんて思ってねぇ
正しいなんて思えねぇ
ただ寒空の下、立ち尽くして
冷たくなってしまった
お互いの手が悲しくて
暖かくなるホンノ少しだけ…
なんて思ってしまった
バカだよな?
次の日部活に出る
正直言って気まずい空気が
赤也と俺の間に流れる
「チーッス…」
赤也が小さく呟く
「おぉ…」
「「・・・・」」
沈黙が続く
「おぃ、どうしたんだよ?
何か暗いな…」
ジャッカルが空気を読んで間に入る
「ジャッカル先輩…えっと・・・」
赤也がすがるような声で
ジャッカルに駆け寄る
「…後は任すぜ、ジャッカル」
「え!?何だッてんだ!?ブン太…」
二人を残して部室を出ると
姫凪がこっちに
来るのが見えた。俺に気付くと
『あ、ブンちゃん。
今日はもう練習するんだ?』
いつも通り話しかけてきた
「おぉ。てゆっか、チョット遠くねぇ?
もっとこっち来いよ・・・」
姫凪を引き寄せると
『もぉ!ブンちゃん!マタそんな事…』
いつも通り俺の腕の中で
じたばたする姫凪
何も変わってないのに
俺の心にはモヤが掛ってる
『ブンちゃん?どうしたの?
何か顔が怖い…』
姫凪が振り返り俺を見上げる
幸い誰も居ない、今なら真面目に
気持ちを伝えられるかも…
「あのさ、姫凪、俺…」
「ブン太~!姫凪~」
サクラの声が被さる
廊下の向こうからサクラと
幸村が来る
チッ…。ヤッパついてねぇよな…