一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第1章 ☆捨てられないキミ(御堂筋翔*夢)[きいろシリーズ①]完結
次の日もまた次の日も
布施さんは
ボクに話しかけてきて
貼り付けたような笑顔を向けてくる
相変わらずの
ボクの対応にも態度を
変える事はなかった
毎日毎日、練習中にタオルと
ドリンクを持ってくる
「キミィ…よう飽きへんな…
何が楽しいん?」
いつものように
ボクにタオルを差し出す
布施さんに言うと
「御堂筋くんが走ってるの
見るのが好きやねん
早くて…綺麗やから」
綺麗?キモいやら怖いやら
言われる事はあっても
綺麗とか言われた事がない
この子目ぇ大丈夫か?
でも嫌な気はせーへんかったから
「…キミィ…変わってるな…」
と少し唇が綻ぶ。すると
『あー!…キモ…って
言われへんかった!
なんか嬉しいかも…』
と少し照れたように笑った
いつもの貼り付けたような
笑顔とは少し違う
柔らかい空気が何やくすぐったくて
「…さよか。」
と流す、すると
『あ…そろそろまた
走る時間やね、ほな、また!』
立ち上がり空のボトルを
持って手を振って帰っていく
「…気ぃつけーよ。暗なるで」
後ろ姿に呟くと
『うん!わかった!』
とまた柔らかい笑顔で
嬉しそうに言って走っていった
なんや!この雰囲気!
今ボク何言うた?
キモ…!要らんがな…そんな心配
無駄やがな…なんもかんも
ボクには必要ないねんから…
返し忘れたタオルで顔を擦ると
あの子の甘い匂いがした